「ファミコンウォーズDS」レビュー
はいっ!昨日の日記で書いた通り、ファミコンウォーズDS(以下、FWDS)のハードキャンペーンモードをクリアしたのでレビューを書こうと思います。
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2005/06/23
- メディア: Video Game
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実は私はこのシリーズが大好きで、1988年にファミコンで発売されて以来、ゲームボーイに行ったり、マップがスクウェア(四角)からヘックス(六角形)になったり、ハドソンから発売されていたり……と色々あるゲームなのですが、その殆どをプレイ済みという熱の入れようなのです。
このシリーズの良さはずばり、シンプル&フレキシブル。極限までブラッシュアップしたシステムの中に面白さを凝縮、だけど複雑にならないようになっています(注:但し、最新作のFWDSは若干複雑かも)。
そんなファミコンウォーズシリーズの最新作、FWDSはどの様なゲームだったのでしょうか?早速見ていこうと思います。
◆ ゲームシステム …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。
まず、このゲームのシステムを簡単に説明します。プレイヤーはある国の指揮官となって、複数の兵器を駆使しながら相手国を制圧していく事になります。相手国を制圧する方法は二つ。
- 敵国の首都を歩兵(又はバズーカ兵)で占領する
- 敵を全滅させる
のいずれかを達成すれば勝利です。有名なパソコンゲームに「大戦略」というのがあるのですが、このゲームはその大戦略を簡略化したような感じです。
で、基本ルールは全シリーズ共通なのですが、細かいルールが色々違っています。特にファミコンウォーズからゲームボーイウォーズ、ゲームボーイウォーズからゲームボーイウォーズアドバンス(以下、GBWA)への変化はかなり大きなもので、その変化で別物のゲームと考えた方がいいでしょう。FWDSはゲームボーイウォーズアドバンスからの流れを引くゲームですので、そこからの流れで見ていく事にします。
ゲームはターン性のウォーシミュレーションゲーム。自分→相手→自分→相手……と交互に兵器に命令を出していき、相手の首都制圧を目指していきます。兵器の種類は次の通り。
タイトル | 種類 |
---|---|
GAMEBOYWARS ADVANCE 1 | 18種類 |
GAMEBOYWARS ADVANCE 2 | 19種類 |
FAMICOMWARS DS | 25種類 |
そんなわけで、最新作のFWDSでは実に25種類もの兵器が登場することになります。25種類と聞くとSLGが苦手な人からは「え〜!?そんなにあるの?覚えられないよ〜」と言う声が聞こえてきそうです(^^;)
確かに、GBWAに比べれば複雑ではあるのですが、順にステージをクリアしていくストーリー仕立ての「キャンペーンモード」では最初は少しの兵器しか使えず、ステージをクリアしていくに従って、徐々に使える兵器が増えていき自然に覚えられるようになっているので、初心者の方はこのモードをプレイすると、自然にFWDSの兵器が覚えられるようになっています。
このゲームを例えるなら、将棋を複雑にしたものと思って頂ければよいかと。将棋のコマにあたるのが、各種兵器。首都は差し詰め王将という所です。相手の手を読みつつコマを動かしていく楽しさを味わうゲームなのです。
◆ 必殺技 …… ( ´∀`)
GBWAになってから一つの大きな要素が加わりました。それが、「ショーグン・ブレイク」と呼ばれる、一般的に必殺技と呼ばれる要素です。
ブレイクゲージというメーターがあり、相手の兵器を倒したり、自分の兵器がやられるとこのメーターが溜まっていきます。そして、メーターがフルに溜まった所でこの「ショーグン・ブレイク」を発動させる事が出来るのです。
その能力はキャラクターによって違うのですが、「全ての兵器のHPを5回復させる」だとか、「戦車の移動力が2増える」だとか「都市を一発で占領出来るようになる」だとか、そのゲームのパワーバランスを一気に傾ける事が出来る程強力な力を持っています。
さて、その「ショーグンブレイク」なのですが、シリーズを重ねる毎に派手になっていき、FWDSでは同じターンに2度行動出来、しかもその間に普通の必殺技を2発発動出来るという「タッグブレイク」というものが生まれました。もう、恐ろしい破壊力です。「燃えろ!プロ野球」のホーナー(ヤクルト)並みの破壊力があります。
そんなわけで、均衡を崩すには素晴らしい要素である「ショーグン・ブレイク」なのですが、逆に戦術を考える楽しさという点ではちょっと減点対象。戦術というか、ショーグン・ブレイクを発動するタイミングを読むゲームになってしまっている所があります。
ちまちまと詰め将棋のように進めていく……というよりかは、攻めて攻めて、ショーグンブレイク発動するタイミングを窺う……というプレイスタイルになる事が多いです。基本ルールに攻め込んだ側は守る側よりも有利になるという要素があるのも大きい。「攻撃は最大の防御」というのはこのゲームの為の言葉なのかもしれません。
このシステムのメリットとしては、
- ゲームの進行がスピーディーになる
- 千日手状態(均衡状態)を解消させる事が出来る
という所でしょう。ただ、正直な所、今作の「タッグ・ブレイク」については強力過ぎる気もしました。あまりにも強力なので、もっとメーターが溜まらないと発動出来ないだとか*1、いっそ、「タッグ・ブレイクを発動出来るのは1マップにつき1回まで」等の縛りがあっても良かったように思います。FWDSをプレイした後、何だかGBWA1をプレイしたくなった自分がいました(^^;)というか、今プレイしていたりするのですが。
GBWA1をFWDSの後にプレイすると何気に面白かったりするのですよ。単純で(笑)
◆ キャラの成長 …… ( ´∀`)
もう一つ、今作から加わった要素としてキャラの成長というものがあります。正直、このシステムが入る時はちょっとした不安がありました。「このシステムによって、ファミコンウォーズがファイアーエムブレム化しないだろうか……」と。
いや、ファイアーエムブレムも好きではあるのですが、ファミコンウォーズはまたファイアーエムブレムとは違った楽しさがいいのであって、システムが似通って、面倒くさくなるのは嫌だなぁ……というのがあったからです。
結論から言うと、心配は杞憂でした。というか、個人的にはこのシステムは凄くいいです。キャラのレベルが上がってもキャラの能力自体がアップするわけではなく、ちょこっとだけ能力が上がる「装備品」が身に着けられるようになるのです。レベルが上がるごとに複数付けられるようになり、最終的には4つまで身に着けられるようになります。
このシステムにより、長所をさらに伸ばしたり、逆に短所を補ったりと同じ将軍を使う時でもバリエーションが生まれるようになりました。
◆ グラフィック …… ( ´_ゝ`)
さて、グラフィックなのですが、まずはGBWAとFWDSの比較の為の参考画像を。写真は携帯のデジカメで撮っているので写りが悪いのはご勘弁(^^;
……まず、大きな変化としてマップが擬似3Dになりました。マップ全体が台形になっており、奥のマスほど小さく表示されるのです。さて、この3D表示ですが、あまり良い効果があるとは思えませんでした。
マップの表示自体はプレイしているうちになれるのですが、3D表示にした為に、今までよりも1マスの表示が小さく感じるんですよね。というか、実際に小さい(特に画面上部では)。この1マスの小ささは次の項目の「操作性」にも関わってくるので要チェック。
無理に3Dにしなくても、元々平面でも立体的に描かれたマップチップのお陰でGBWAでも立体感を感じることが出来るのですよね。FWDSが特別見難いわけでは無いのですが、FWDSをプレイした後、GBWAをプレイすると、やっぱりGBWAの方が見やすいなぁ……と感じます。
次にキャラクターを見ていきます。キャラクターはシリーズを重ねることにアニメタッチからリアルタッチに変化してきています。参考画像はGBWA2から登場のキャット嬢。GBWA時代は目の中に星が描かれていたりします。日本だと、GBWA1のような絵柄の方がウケるような気もしますが……どうかなぁ。
シリーズを通して出演の共通キャラが多くいるので、回を重ねる毎にどんどんキャラクターの背景が出来上がってきているのは嬉しいですね。こういったキャラクターの背景はゲームとは直接関係が無いのですが、あるとゲームに対する入れ込み方が変化してきます。
誰と誰が仲がいいだとか、このキャラとこのキャラのタッグブレイクの相性がいいのはこういう背景があるからなんだとか、色々想像が出来るのです。
また今作はおまけ要素としてキャラの着せ替え(キャラクターのレベルを10まで上げる)が出来るのですが、これもお遊び要素としてはグッド。私服のキャラクター達は戦場の裏にある新鮮なイメージを与えてくれます。
◆ 操作性 …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。 ←→ (´・ω・`)
さて、操作性について見ていこうと思います。
大きな変化として、スタイラスで直接画面にタッチして操作出来るようになっています。これが、中々便利。移動とかも一瞬で出来るし、上手くいけばSLGに対する操作性を一気に変える事が出来るようになると思いました。
上手く行けば……というのは、FWDSに関しては若干、周りの要素が不親切でイマイチ、タッチパネルの操作にはまり切れない事があったからです。実際、私も途中まではタッチパネルで操作していたものの、途中から十字キーの操作に戻してしまいました。
目立った欠点として、誤動作をしてしまう確立が高いという事があります。マップ自体が前述のように擬似3Dになった事で1マスが小さくなってしまい、タッチに細かい制御が必要になってしまうのです。3D表示によるメリットはあまり無いので、タッチパネルによる操作を生かす為にも、普通の2D表示で良かったように思います。
次に、各種ボタンが小さいというのもあります。特に兵器を移動させた後に出てくる命令ボタンが小さい。よく、「攻撃」と「待機」を間違えてタッチしてしまい、「うわぁ〜っ!」と絶叫してしまいます。このボタンなんか、ポップアップで出てくるのだから、思い切ってもう3回りくらい大きくしても良かったと思います。十字キーで操作している人用にオプションで通常サイズと切り替えられるようにすれば尚良し。
細かい事ですが、セーブするときに出てくる「セーブ1」「セーブ2」「セーブ3」というのもキャラクターの台詞ウィンドウ上では無く、ちゃんと画面中央に大きくボタンで出して欲しかったです。
そんなわけで、タッチパネルによる操作は目の付け所は良いものの、今作に関してはイマイチ煮詰め切れていない印象が強かったです。次回作に期待。
逆に十字キーによる操作はシリーズを重ねてきただけあって洗練されたものになっています。直感的に操作出来て、ストレスが溜まりません。
◆ おまけ要素 …… ( ´∀`)
まず、詳細なデータが記録として残ります。この詳細さはメテオスに匹敵するぐらい細かいです。プレイ時間やクリア回数はおろか、プレイヤーがユニットを掴んだ回数や今まで歩いた総歩数といったデータまで残ります。この記録によってメダルがもらえるので、遣り込みがいもあります。参考までに、今の私のデータを一部抜粋
総プレイ時間 | 45:41:19 | 総ショーグンランク | 209 |
---|---|---|---|
総プレイターン | 1220 | 使用した軍資金 | 9578475 |
総獲得ポイント | 76682 | 総被害金 | 11445224 |
Sランククリア回数 | 83 | ブレイク回数 | 5 |
Aランククリア回数 | 16 | スペシャルブレイク回数 | 46 |
Bランククリア回数 | 7 | タッグブレイク回数 | 126 |
Cランククリア回数 | 2 | ショウグンチェンジ回数 | 311 |
本部占領で勝った回数 | 9 | 直接攻撃回数 | 4030 |
敵全滅で勝った回数 | 98 | 間接攻撃回数 | 1305 |
作戦失敗した回数 | 50 | 占領した拠点数 | 678 |
……え〜、まだまだこれでもデータのほんの一部です。各兵器の生産台数だとか、撃破数だとか色々データを細かく記録してくれるので、データ大好き人間にはたまらないものがあるでしょう。
次に、コンバットというアクションゲームがついてきます。一台の戦車(もしくは歩兵)を操って弾を打ち、他の戦車を全滅させれば勝ち。そこそこ楽しいですが、まあミニゲームの粋は出ていませんね(^^;)
グラフィックの所でも書きましたが、キャラクターのレベルを10まで上げると着せ替えが出来るようになります。
◆ 総評 …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。
やや、大味になったかな……とは思いますが、大安定の一品ですね。マップ数も過去のシリーズを網羅しており、とんでもないボリュームがあります。
本文が長すぎるの省略したのですが、他にも二画面戦闘(2箇所の戦場を平行して同時に戦う。片方のマップで勝利すると、もう片方のマップで有利になる)等、新しい要素が色々詰め込まれています。
「GAMEBOYWARS ADVANCE 1+2」と「FAMICOMWARS DS」のどちらが面白いかという質問に答えるのはちょっと難しいですが、派手な試合やスピーディーな戦局、二画面戦争等を楽しみたいならFWDS、必殺技の効果が強すぎない方がいい、難易度高めのマップがプレイしたい*2、親切なチュートリアルが欲しい*3という人はGBWAを購入するのが良いのではないでしょうか?もちろん、両方揃えるとおまけ要素(マップ4枚+壁紙2枚)が手に入るので尚良いですが。
いずれにせよ、簡単なシステムでダイナミックな戦術が楽しめるという事には変わりないので、SLG初心者の方から上級者の方まで幅広く楽しめると思います。ちょっとでも興味があるなら、是非試しに遊んでみて頂きたいと思います。