「家族計画〜追憶〜」レビュー

……また、一つ素晴らしい作品出会えた事に感謝しつつ。

そんなわけで、廉価版が出た機会に評価が高かったのでプレイしてみた過去作品「家族計画」のレビューいきます。大人な人は「続きを読む」をクリック。



家族計画 ~追憶~

家族計画 ~追憶~


……う〜ん、パッケージ絵は旧版の方が好きなのですよね。レビューの最後に旧版のパッケージも載せておきます。


さて。イキナリですが、私の中で田中ロミオ氏はシナリオデフォ買いメンバーにエントリーされました。cross†channel」といい、レベルの高い作品をコンスタントに生み出すシナリオライターは貴重ですね。この作品の時はまだ名前が「山田一」さんでしたが。

◆ストーリー …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。

まずは、物語の概要から。

主人公の沢村司はわりと孤高。
家族の温もりを知らぬまま世間の冷たい風に当たってきたせいで、少しばかり排他的な人間に。



そんな司がある日、路地裏で一人の行き倒れの少女を拾った。



チャイニーズ。
言葉も通じない。



司の提唱するところの「最も関わり合いになってはならない」タイプ。
だが司は、その少女……春花と同居生活をする羽目になってしまう。
それをきっかけに、司の周囲に集まる問題ありげな人々。
彼らの共通点は……家族の欠落。
やがてこの集団は余儀なく共同生活を強いられていく。



家族計画───
それは赤の他人同士が生きるために結束する、互助計画。
モラルも考えも嗜好も異なる、噛み合わないような彼らの行く末に、果たして幸福はあるのだろうか?

……以上、公式ホームページより。



ようするに、ひょんな事から、擬似家族を作って暮らしていくはめになった個性豊かな問題児7人のハートフル・コメディであります……が、これ、確かに前半……というか、後半の途中まではコメディなのですが、終盤のシリアスな展開にはほろりときます。物語の核はかなり深いですよ

形骸化された家族……なんてよく言われますが、血が繋がっていても中々上手くいかないのが最近の家族像。それが、赤の他人7人……しかも、問題児揃いとくれば、一筋縄でいくわけもなく、物語は毎日ドタバタの連続、やがて……という展開になっていきます。

ただ、問題児揃いなんですけど、このゲームの問題児達は全員心の一番深い部分がとても優しいんですよね。全員いい子。ただ、ちょっと生きるのに不器用なだけで……。そんな彼らが始めた「家族ごっこ」は果たしてどういう効果をもたらすのか?

読んで優しい気持ちになれる、そんなゲームなのです。

◆システム …… ( ´_ゝ`)

う〜ん。昔のゲームという事もあって、若干不親切。一通り機能は揃っているものの、ショートカットキーが不足していたり、既読スキップが選択肢毎に解除されたりと細かい所で若干いらつく事があります。

◆グラフィック …… ( ´∀`)

原画は福永ユミさん。と言っても、ゲーム自体は4年も前のものなので今と絵柄が若干違うし、正直絵の安定性も低いです。所々でデッサンの狂いが目に付いたり……。

ただ、それでもゲームをしている内に段々このキャラクターに魅せられていき、ゲームが終わる頃には「やっぱり、この絵で良かったな」と私は思えるようになりました。

グラフィック枚数自体もちょっと少ないかなぁ。

◆キャラクター …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。

このゲームで特筆すべきはそのキャラクター造形。普通、これだけ個性豊かなキャラを作り上げれば中には気に食わないムカツクキャラが何人か出そうなものなのですが、このゲームのキャラは全員ぶっ飛んだキャラクターにも関わらず、どのキャラもその個性が愛せるのですね。

cross†channel」もそうなのですが、山田一田中ロミオ)氏はキャラクターを生き生きと個性的に動かすのがとても上手い人だと思いました。

個人的お気に入りは青葉。特に末莉シナリオの青葉は素敵すぎます。北都南さんの声もハマっています。というか、ハマり過ぎです(笑)

もちろん、他のキャラも大好きですよ〜。

◆音楽 …… ( ´∀`)

音楽はI've Sound。オープニングとエンディングの2曲はボーカル曲。どの曲も中々素敵ですが、曲数は少ないです。アレンジ曲が多いので余計そう感じます。もう少しバリエーションが欲しかったですね。

「たんぽぽ」は名曲です(笑)

◆えちぃ …… ( ´_ゝ`)

期待しない方がいいでしょう。薄いです。キャラによっては、やや強引かなぁ……と思える展開もあり。

◆総評 …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。

取り合えず、買って遊んでおけっ!……というわけで、私的には名作の部類に入れていいゲームだと思います。兎に角、シナリオが熱いっ!面白いっ!そして……感動します。前半のノリはついていけない人には若干辛いかもしれませんが、後半の怒涛の展開は一見の価値ありですよ。

最後に。「家族計画」は現在3種類(無印、絆箱、追憶)あるのですが、一番最初に発売された無印(この直ぐ下のパッケージ)には音声やOPデモが無いのをはじめ、グラフィックやシナリオも追加されていないので、今買うなら「絆箱」か「追憶」にしておきましょう。プロテクトが気になる人は「絆箱」を買った方がいいかもしれません。


家族計画

家族計画