「ファイナルファンタジーXII」レビュー
ほ〜い。そんなわけで、やっと、ついにFF12クリアしましたっ!発売日に買ったのにクリアまで物凄い時間がかかってしまったよ(^^;)そんなわけで、総プレイ時間ゆうに60時間オーバーでしたが、FF12のレビューでも書こうと思います。
ネタバレ全快で行きますので、未クリアの方はご注意を〜(^^;)
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2006/03/16
- メディア: Video Game
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ストーリー …… ( ´∀`)
面白くない……とは思わないけど、見せ方がRPGっぽくないのです。
何ていえばいいんだろう……小説で言うなら「銀河英雄伝説」っぽい形式?明確な主人公が存在せず、人ではなく、イヴァリースという世界の歴史を表現している物語と言えると思います。
注目ポイントを人ではなく世界にしたため、各キャラクターの存在感が薄くなっています。この世界のこの時期にこの人たちはこのような行動をとった……という事がムービーやゲーム部分を通して語られる……だけ。その時の当人の詳しい心理描写等はあまり言葉では語られません。しいていうなら圧倒的に美しく細やかなキャラクターの表情の動き等から推測していく事になります。これは、非常に好みが分かれるだろうなぁ……と思いました。
実は、私はどっちかと言うと今作の様な細かい部分までは語らず、プレイヤーの想像によって見えない部分が推測出来るお話の方が好きなタイプの人間なのです。特に今作プレイ時はプレイ時間の確保が難しく結果的に物凄くのんびりプレイする事になったので、尚更プレイヤーの想像に委ねる部分が多いFF12のストーリーは楽しめました。歴代FFシリーズの中では二番目に好きです*1。
ただ、それゆえにRPGっぽくない。主人公にスポットをあてて感情移入してストーリーを楽しむタイプの物語ではない。いや、しようと思えば出来るのかもしれないけれど、私にはあの性格の主人公に感情移入するのはちょっと無理でした。
別段、感情移入をするのに主人公が国を救う中心人物とか英雄である必要は無いと思うんですよ。寧ろ、そういった英雄の側で一緒に行動を共にして行動していく若者というのは主人公の設定としてはオーソドックスで、とてもいいと思う。「ロードス島戦記」のパーンだとか、「銀河英雄伝説」のユリアンとかもこのタイプですし。*2
ただ、そういったタイプには必ず必要な要素という物がありまして……先に答えをズバっと書いてしまうと、それは「成長」という要素。英雄の側で行動を共にする事によって、主人公自身が「成長」していく。プレイヤーは成長していくキャラクターにシンパシーを感じていき、いつしか物語の中に入り込んでいる自分に気付く事になる。
今作の主人公(一応)のヴァンはこの要素が非常に乏しい。本当にただ単に行動を共にしていただけというだけで終わってしまっているキャラクターなんですよね。主人公ではなく、従者Aという感じ(従者Bはもちろん、パンネロ)。惜しい。何かしら、ヴァンの成長が感じ取れるようなイベントがあれば良かったのに……ヴァンがらみのイベントって少ないんですよね。っていうか、皆無?
また、想像に委ねる部分が多い分、説明不足で物語終盤では「え、何で?いつの間に!?」と思うような台詞がキャラクターから飛び出したりもします。う〜ん……。
ゲーム性 …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。
非常に私好みのゲーム性。戦闘システムが素晴らしい。
実はこれとほぼ同時に「モンスターハンター」の方もプレイしていたのですが、「モンハン」の方はプレイヤーが動かす部分が多すぎてヌルゲーマーな私には難易度が高くイマイチはまり切れないものがあったのです。
が、FF12の戦闘システムは見た目はアクション要素が高そうに見えるものの、実際はアクション要素は皆無なので、事前の準備(=ガンビットシステム)さえしっかり設定すれば、アクション音痴な人でも、さくさくとスピーディーな戦闘を楽しむ事が出来るのです。これはいいっ!面倒くさがりな私には打ってつけのシステムです。
ただ、反面、事前の準備さえしてしまえば実際の戦闘でやることはホボ何もありません。この辺もRPGらしくない。どっちかと言うとSLGの領域かな?プレイヤーはヴァン1個小隊を操る指揮官。後方から戦略方式を指示して、あとは眺めるだけ。戦局が変わったらその度に戦略方式は変更するけれど、実際の戦術までは指示しない。う〜ん……。
実は画面切り替えコマンド入力式の戦闘システムだって、大よその所では大体毎回決まった行動をとっているわけで、突き詰めてみれば毎回ボタンを押して決めるかそうでないかの違いなのですが、体感で感じる差は結構大きいかもしれませんね。
戦闘で私が唯一不満だった事は召還獣が弱すぎる事。MPゲージをあんだけ使用するのに、ボス戦で使ってもほぼ一瞬でやられてしまう。かと言って、雑魚戦で態々召還獣を使うような状況なんか無い。あれはいつ使えばいいのだろう……。滅多に呼び出さないんだから、呼び出した時くらいもっと圧倒的な強さを見せて欲しかった。
逆にミストナックはシステムとして、とても良かった。コンボが繋がると強力過ぎるかなぁ……と感じるきらいはありますが、個人的には多少大味になろうとも必殺技にはこれくらいの爽快感が欲しいと思っているので、ここぞと言うときに使って一気に大ダメージを与える快感がとても気持ちがいいシステムでした。
サブイベント……というかモブなのですが、序盤の依頼はまだしも後半の依頼は面倒くさすぎる依頼が多すぎる。もう少しサックリクリア出来るモブを沢山用意して欲しかった。これが転じて資金不足難に通じているように思う。
ライセンスシステムは良いのですが、キャラクター数とパラメーターの関係で有効に生かせ切れていない。丸裸のキャラクターを用意して、どのようなキャラに育てるのもプレイヤーの自由というのは素晴らしいのですが、今作はPS2の性能面の問題から、玉に加入するゲストキャラを除外すると、基本は3人パーティーになってしまう。3人ではどのキャラクターもある程度オールマイティーな能力を持つ魔法戦士タイプに育て上げないと戦闘の効率が悪すぎてしまうのです。
また、金銭不足になりがちな今作は装備の使いまわしが金策確保の為には結構重要な為、どのキャラも同じ武器が装備出来るようにライセンスを取得しがち。さらに魔法使いタイプが作り難い。(MPの最大値が低すぎる。あれだけスピーディーに大量の敵と戦闘をするのに、高々10発、20発の魔法発動でタマ切れになる様では魔法専門キャラは役に立たない。雑魚戦でいくら魔法をぶっ放しても、ボス戦でまだMPを温存しているくらいじゃないと駄目。どうせなら、ライセンスで魔法を覚えるのではなく、ライセンスで使用マジックパワーを大幅に減らす、それこそMP1で魔法をぶっ放せるくらいにしてくれないと魔法使い系キャラは作れない。)結果的に武器攻撃メインで回復魔法も使える剣士兼僧侶タイプのキャラばかりなってしまう。う〜ん惜しい。もう少しバランス調整してくれればプレイヤーによって、全然違うキャラクターが生まれるシステムになったと思うのに……。
グラフィック …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。
文句なしですね。美しい、美しすぎます。
一方で美しいもののキャラデザインはもう少し何とかして欲しかった。象徴的なウチの妹の一言。
「うわーっ!一番好きな王子がイキナリ死んだ〜!もう、やる気しない〜(涙)」
……今回、メインキャラのキャラデザが弱いと思う。綺麗だけれど弱い……魅力が無い。サブキャラの方がよっぽど魅力的なんですよね。ラスラとかアルシドとか。
音楽 …… ( ´_ゝ`)
悪くは無い……けれど印象に残る曲もあまり無かった。もう少し強烈に自己主張する曲が欲しかったかなぁ。
曲はまあそんな所なのですが、曲よりも我慢できないのは声優の酷さ。もう、本当にピンキリなんですよ。プレイしてもらえば直ぐに誰がピンで誰がキリかわかるくらい(笑)もう少し演技力つけてよパ○ネロっ!どんだけ大根役者やねん。これにはガッカリきました。
昨今のゲームで声の果たす役割というのは非常に大きなものだと思うので、この辺の所もっとメーカーには力を入れて欲しい。折角のグラフィックが泣いてしまうよ。
総評 …… ( ´∀`)
やっぱりストーリーですかね……「FFとはこういうゲームなんだっ!」という拘りが有る人ほどこの違和感の大きさを感じる事と思います。*3良くも悪くも私は特にFFシリーズへの拘りがない*4人間だったので、今作はとても楽しむ事が出来ました。歴代RPGの中でもかなり好きです。お気に入り。
ストーリーに関してもう一つ言えば、どう考えてもゲーム中の話よりもゲームが終わった後の後日談の話のほうが面白そうな気がするのですよ(笑)革命を遂げた王女、生き残った空賊、成長した(のか!?)主人公カップル、復興の道を歩み始めた小国に、支配者がいなくなった帝国。世界観としてかなり魅力的に移るわけで、ここからゲームがスタートした方が良かったんじゃないかと思うほどです。
何はともあれ日にちにして1ヵ月以上、総プレイ時間で60時間以上楽しませてくれたFF12は私にとっては良作でした。このシステムで、また違った世界のゲームを遊んでみたいです。