「ウェブの二つの文化圏の衝突【後編】ネガティブリンクと批判する側・される側の論理」を読んで

http://kotonoha.main.jp/2006/01/05negativelink.html

私はこの分類方法で言うなら、「ブロゴスフィア議論文化圏」に分類されるグループだと思うけど、それだけでも無かったりするんですよね。しいて言えば「兎に角自由万歳派、法律に反する事以外なら好き勝手にやれ派」とでも言うべきか。もう一つ言うなら「行動方針を縛られたく無い派」とも言う。他の人は他の人で自由な行動方針でいい。けど、他人の行動の自由を縛るような倫理を普及させるような主張には激しく反対する。

だから、私自身はブログに批評を書くし、はてブにも批判文を書くけど、それを他の人が真似する必要は無いと思う。「知らぬが仏文化圏」の人たちが影でこっそり私のブログを読んで、影でこっそり批判する。それも有りだと思う。その人たちにはその人たちなりの配慮があって、直接抗議せずに陰で批判するに留めているのだろう。

しかし、例えばそれを他の人に押し付けるような主張。「批評・批判文は書くな。書くなら本人が見えない所でこっそりやれ」というような論理を普及させようとしている人がいた場合、それは私の敵だ。自分がそう思って、その方針で行動するのはかまわない。が、それを他人に押し付けるような行動は許さない

だからと言ってじゃあ殴りこみにいくかと言うと、勿論そんな事はしない。最初に書いたとおり相手の自由を認めるのなら、「相手の自由を奪う」ような主張を発表する事だって自由なはずだ。だけど同じように、私がその主張に対して反対の意見を述べる自由だってある。なので、じっくり言葉で反論させて頂く事にしています。

さて、それでは二つの主張が衝突した場合はどうなるか?これは最初に書いた通り法律に反する事以外なら、何をしても自由だという原則から判断する。つまり、罪になるような事以外は行動を規制しようとする側の主張を認めない。リンク問題もそう。「リンクを張られたくない」側と「リンクを張りたい」側がいた場合、「リンクを張る」という行為はフレーム内リンク等の著作権違反をしない限り「参照行為」なのだから自由に出来るのが原則。だから「リンクを張る側」の主張を認めるようにしている。

同じように、「批評されたくない側」と「批評したい側」がいた時はどうか?これも、ネット上にアップされた段階でその参照元文章は「公開された著作物」になるので、それに対して批評をするのも書くのも自由……という考え方になる。私が「ブロゴスフィア議論文化圏」に分類される所以だ。しかし、それは「主張は堂々と書くべきである」という所から来ているものではなく、「他人の行動を縛る事はいけない事だ」という部分から来ているのだ。

だから、批評をされた側が傷ついたという時の解決法としても、書いた側に「そういう事は書かないようにしよう」と行動を縛る事を薦めるのでは無く、批評された側に「批評されたくないなら、パスワードをかけるなり何なりして皆に見えないような対策をしよう」と自衛手段を薦めるのだ。パスワードをかける事自体には何ら問題はない。文章を公開するかしないかの権限は当然書いた本人にあるのだから。例え、それでその文章を楽しみにしていた一部の人が読めなくなる事態になったとしても。

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さて、所でこの文章の余談には非常に興味深い事が書いてあります。

最後の図の右列と左列を比較すると、「環境は同じなのに、幸福な人と不幸な人がいる」ということになる。つまり、自分にとって心地よい環境を作ろうと努力するのではなく、自分自身が環境に対してどのように受け取るかを変えることによって、人は幸福感が増すという話。

これは、ジェームズ・アレンの本、特に『幸福に通じるひそやかな道』なんかを読んでいただければよくわかる(あるいはわからなくて反発を感じる)と思うのだけれども、例えば「人に悪口を言わせないように努力する」よりは、「悪口を言われても、それによって傷つく自分というものを変えていく」方がよほど建設的だということだ。

この意見は私の考え方に非常に近い。批評文、批判文、それこそただ一言「これは酷い」しか書いていない文でも、それを悪口と思わずに批判だと受け取めるようにするようにすれば、反省の材料も増える。何よりネットという社会にマッチしている考え方のように思う。

結局、私はネット社会には「清く、正しく、美しいコミュニケーションの場」よりかは「混沌としていても、率直で本音な意見が聞ける場」を求めているのだろう。だから、「相手の事を気遣って言葉を選んだ結果の発言」よりかは、「言葉は汚くてもストレートな相手の気持ちが聞ける発言」の方がショックを受けることはあっても好ましく感じられるのです。建設的な意見でなくてもいい、批判的な意見でもいい、相手のストレートな気持ちが聞けること。それこそが一番大事なのです。




……だから、何度も書いていますが、私のサイトの駄目な点、つまらない点、おかしい点等のご意見が御座いましたら遠慮なく報告して下さいませ(笑)