感想：「ミノタウロスの皿」

「ドラえもん」「パーマン」等の作品で有名な藤子・F・不二雄氏だが、個人的にはこの本のようなSF短編漫画が氏の本領だと思う。其れほどまでに面白い作品。

この本には13話もの短編が収められているが、どの話にも共通しているのは最後の最後で大どんでん返しが待っているという事だ。話が終わる、最後の一〜二ページという所で読者を裏切るオチを用意してあるのだ。正に読んでいる側は「あっ！」と驚いた瞬間には話が終わっている事に気付く。

もう一つの特徴は大人向けの話であるという事だ。これは話の終わり方にもその特徴が出ているのだが、ブラックジョークというか、アンハッピーエンドで終わる話も多い。

万人受けするかは分からないが是非読んで欲しい一冊。そして、本作が気に入ったならば、氏の他のSF短編集も読んでみて欲しい。冒頭で私がいった「氏の本領」という言葉が分かってもらえると思う。