「アナザーコード 2つの記憶」レビュー

怒涛の3日連続レビュー、トリを勤めるのはNDS用アドベンチャーアナザーコード」です。


アナザーコード 2つの記憶

アナザーコード 2つの記憶


この作品は、売り方に大いに疑問があったのですが……まあ、その辺はレビューで詳しく書きます。


例によって各項目別に見ていきましょう。

◆ストーリー …… ・゜・(ノД`;)・゜・

……もう、これは完全に広報が悪い

本格推理小説として売り出しているわけですよ。パッケージの帯にも「さわれる推理小説」が誕生!とか書いてあるのですよ。パッケージ裏にも謎が謎を呼ぶ本格的なストーリーがダブルスクリーンで巧みに表現されますとか書いてあるわけですよ。いやがおうにもストーリーに期待するじゃないですか。

結論からいうと、ストーリーはB級映画のそれと大して変わりませんでした。つまり、イマイチという事。兎に角、話に魅力が無い。物語に起伏が無い。意外性が無い。起承転結が無い……と、無しのつぶて。この物語の主軸は「行方不明のお父さんを探す」なのですが、ただ単にお父さんを探すために館内をうろつくだけ……という感じで、一昔前のゲームをしている感覚です。

どちらかと言うと、アドベンチャーというよりパズルゲームの方がジャンル的に近い。各ステージをクリアする為の問題が用意されていて、それを解くと次の部屋への進み方がわかる。ストーリーはあくまでその補助的な役目に過ぎず、メインを張る程の力は無い。

……う〜ん。もう少し、ストーリーに力を入れて欲しかったですね。

◆パズル …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。

で、そのメインの「パズル」の方なのですが、これはストーリーとは違って素晴らしい出来です。兎に角、DSならではの問題が沢山あり、問題を解くのが非常に楽しいです。

特に感心したのが、とある女の子の形見の版画を押して絵を完成させて女の子が伝えたかった事を知るシーン。ここでDSは下画面にスケッチブック、上画面に版画のスタンプが表示されるわけです。ここで絵を完成させる方法が分かった時には「おおっ!」と思いましたね(笑)

また、随所で出てくるタッチパネルを使った仕掛けも中々のものでした。

……パズルゲームとして見ると、中々完成度が高いんですけどね〜。ストーリーが何ともな出来なのが痛かったな〜。

◆システム …… ( ´_ゝ`)

自分のDSがゲームの主人公が持っているモバイルコンピューターとリンクしているという発想は面白いですね。タッチパネルによる移動も中々直感的でグッドです。ただ、2週目はメッセージスキップさせて欲しい。既読スキップもボタンによる制御じゃなくて、設定で選ばせて欲しかったです。何度も同じメッセージを読むのは辛い。

◆グラフィック …… ヾ(〃^∇^)ノ

個人的に、大好きな絵柄なので若干評価甘め。パッケージの絵を見て気に入れば問題は無いでしょう。自然物の表現も綺麗。ポリゴンキャラ(移動画面)も中々の出来。「きみしね」でも思ったのですが、2画面を生かして絵を見せる方法というのは新鮮で面白いです。

◆音楽 …… ( ´_ゝ`)

……まあ、可も無く不可も無く。特に記憶に残っている曲も無く(汗)

◆総評 …… ( ´_ゝ`)

ストーリーを期待して買うと、地雷になる可能性もあります。いや、物語も一応王道を走ってはいるのですが、何せ、話の起伏が無さ過ぎる。プレイヤーの期待をいい意味で裏切る事も無く、そのままエンドまで行ってしまう。起承転結の「転」が無いのですよ。話自体も短いし。もう少し人間ドラマを見せて欲しかった。

逆に、パズル部分は「これぞ、ニンテンドーDSならでは!」という仕掛けが沢山あり、DSを持っているなら一度はプレイする価値有りです。今までの思考の外にあるひらめきを使わなければ解けない謎が多くあります。

……う〜ん。2,000円くらいの価格だったらお勧め出来るのですが……。