「CLANNAD」レビュー
さ〜て、3日連続レビュー、二日目は「CLANNAD」を紹介しようと思います。
- 出版社/メーカー: KEY
- 発売日: 2004/08/06
- メディア: DVD-ROM
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プレイする人を選ぶとは思うのですが(^^;)そのストーリーの素晴らしさは、去年のパソコンゲームの2大巨頭の片方を担うだけの事はあります。
それでは、それぞれの項目別に見ていきましょう。
◆ストーリー …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。
俺たちは登り始める。
長い、長い坂道を。
……まず、Keyのゲームをやる時の大前提として文体に慣れる必要があります。
流石に、今作では前作の「Air」のように高校生の女の子が「が……がぉ」とか口癖で呟くような、ちょっと、「これシナリオ書いている人、(ピー!)が可哀相な人なんじゃないの?」とか、「変な電波受信してるんじゃないの?」……的な危険なヤバさはありませんが、それでも独特の文体は最初違和感を覚える事と思います(^^;)
もう、この会社の作品はこういうモノだと思って、文体に慣れるしかありません。
で、この作品は、「各キャラクター個別のストーリー」>「全キャラクリアで真相アフターストーリー」……という流れなのです。で、このアフターストーリーの出来が素晴らしい。かなり破壊力があります。
人と人との繋がりだとか、辛い事に耐えてそれでも生きて行かなければならない現実だとか、それに打ち勝つ苦労だとか、挫折だとか、まあ、色々な要素がこれでもか、これでもかと押し寄せてくるわけです。涙腺が緩い人はハンカチ必須。
個人的に意表を付かれたのは、オープニング動画でキャラクターの一人が「この町と、住人に幸あれ」と呟くシーンがあるのですが、この台詞が意外なシーンで意外な使われ方をした事ですね。あんなシーンで使われるとは思わなかった。
ただ、そのアフターストーリーに辿り付くまでが長い。各キャラクター個別のエピソードもそれはそれで面白いわけですが、どうにも中途半端な出来な気がして……。長さの問題もあると思うけど、数キャラ減らしてでも、各キャラクターの話をもっと濃くした方がよかったような気もする。兎に角、中弛みしてしまうのです。ちまたに溢れる「ちょっといい話」を延々聞かされる様な気分。
アフターストーリーに辿り付くまで我慢できるかどうか……それが評価の分かれ目になりそうです。
◆システム …… ( ´_ゝ`)
パソコンゲームとしては可も無く不可も無く。必要な機能は一通り揃っています。あ、キャラクターボイスは一切ありません。物語の長さを考えると、声を付けるのは厳しかったかな。
◆グラフィック …… ( ´_ゝ`)
原画担当は樋上いたるさん。「ONE」の頃に比べたら格段に上達しているわけですが、やはり気になる人には気になる絵柄とデッサンでしょう(^^;)CGの塗りはとても丁寧です。物語の内容と絵柄は結構マッチしていると思います。
◆音楽 …… ヾ(〃^∇^)ノ
いいです。素晴らしいです。……だけど、「Air」の音楽の方が好きだったかな(^^;)何ていうか……曲数は多いのですが、一曲一曲がちょっと薄く感じる曲が多い。あと、メロディーラインが美しい曲が少なかったかなぁ……。ヴォーカル曲も好みの曲からちょっとずれていました(^^;)「小さなてのひら」は前半部分はかなり好きなのですが、後半がちょっと……それでも、他の作品に比べれば十分高レベルな出来なのですが。
◆総評 …… ヾ(〃^∇^)ノ
物語の長さと、それに伴う中弛みに耐えられるならプレイする価値は十分あります。後半の怒涛の展開はそれまでのマイナス面を押し流す勢いがあります。人と人との繋がりとか、努力とか、そういうテーマに弱い人は、是非プレイしてみて下さい。ただし、最初に文体でめげない事。