むむむ……

メルフォ投稿より。

霜月さんは人権擁護法についてどう思いますか?

う〜ん……この件に関してはもう、主要意見が出尽くした感があって、今更、私が書く事はあまり無いわけですが……。取り合えず、詳しく知りたい人は忘備録2005年3月8日等で関連記事等が纏めてあるので読んで見るのが良いでしょう。


……それで、ですね。私のスタンスはここの日記を読んでいる人にはおわかりの通り、中立の立場に無いです。だって、過去日記で「創作の為なら、被差別者を差別する覚悟で差別用語を使ったっていい」とまで書いているんだから。「座頭市で「めくら」という言葉を使わないのはおかしい」と書いたし、「ちびくろサンボが規制されるのもおかしい」と書いた。逆に、例えば外国人が日本人の事を「ジャップ」だとか「黄猿」とか揶揄して表現するのも有りだと思う。列記とした差別者。だから、私の意見は公平で無い。

だから、そんな私の意見を聞かれれば、反対に決まっているんですよ(^^;)でも、それはあくまで私個人の意見であって、被差別者側の気持ちを思えばこの法案の存在意義もあるでしょう。

差別を受ける側の立場の人からすれば、一般人が発する何気ない言葉に心痛める事があるかも知れないし、それは私が想像するよりずっと深い傷になっているかも知れない。今でも部落差別や人種差別等で悩んでいる方達がいるし、その方達の本当の苦しみは恐らく私には理解出来ない。その人たちの為に法を整備するのは決して悪いことじゃ無い。

問題は、散々他のサイトで色々書かれている通り、この法案は穴があり過ぎるんですよ。何でこんなに長い間議論して、こんなに穴だらけの法案しか提出出来ないんだと思うくらい(^^;)罪刑法定主義である日本において、法というのは唯一他者を規制し罰則を与える強烈な権限があるのだから、そんな穴だらけの状態で可決されては困るわけで。一度決まったら、その強烈な権限が発動出来てしまいますから。

ただ、廃案にするかどうかと言うのは微妙。再審議して、穴を潰せばいいんですよ。現状、あまりにも拡大解釈出来てしまう仕組みが問題。グレーゾーンで人権擁護委員が「それ、差別ですよ。罰します」と言った時に抵抗する手段が無い。これは不公平です。だから、そこに対して抵抗出来るシステムを作らなきゃ駄目だし、いわゆる、「被差別者・弱者」の無制限な拡大が無くなるようにしないといけない。そういうシステムが作り上げられれば、法案も有りでは無いかと思います。

ただし、最初に書いたように、私は「差別者」であって、差別に当たる表現だって、作品に必要ならば被差別者を傷つける事があったとしてもそういう表現を使っていいと思う過激派なので、今後、この法案の穴が潰れて本当に弱者を助ける為の素晴らしい法案になったとしてもやっぱり、私は反対します。私が反対する理由は人権云々の奇麗事じゃ無いからです。極めて個人的な我侭から反対するわけです。