「Ever17(セブンティーン)」レビュー
さて、長らくほったらかしでした、「Ever17」のレビューにいきます。
- 出版社/メーカー: キッド
- 発売日: 2002/08/29
- メディア: Video Game
- 購入: 1人 クリック: 171回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
なるべく、ネタバレは書かないつもりですが、ネタバレ無しでこの驚きを表現するのは難しいなぁ(^^;
そんなわけで、個別に見ていきましょう。
◆ストーリー …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。
まずは、パッケージの裏側から、あらすじの抜粋。
「かって交わした約束と。
いつか還るべき場所へ。」
──水深51mの海中に浮かぶ近未来の海洋テーマパーク“LeMU/レミュウ”。
ここに、なんの前ぶれもなく7人の男女が閉じ込められた。徐々に失っていくもの:食料・水・酸素。
新たな脅威:深海に棲息する未知のウィルス。さらに、苛烈な水圧にさらされたLeMUの隔壁は119時間以内に崩壊すると言う。
分厚いガラスの窓の向こう側は、濃紺の深い闇……。
この閉ざされた空間の中で、限られた時間の中で、
次々と起こる危機を乗り越えながら、7人は脱出への道を探し続ける。
……と、まあ、そんなわけで大雑把に分類すれば密閉空間脱出モノであります。しか〜しっ!「Ever17」をタダの脱出モノと思ったら大間違いでありますよ、旦那!
この作品の素晴らしさはあまりにも完成された世界観とトリック。主人公達は深海51mの闇の中で様々な危険と謎に突き当たって行く事になります。この謎が素晴らしい。見事に、世界と、そしてキャラクターと組み合わさって、一枚の完成された作品となっているのです。
例えば、このゲームでは最初に主人公を選べる*1のですが、登場人物の一人、「松永 沙羅」は「少年」の視点では登場しますが、「武」の視点では登場しません。果たして、彼女は「武」が主人公である時、どこにいるのか……?何故、そうなるのか……?
キャラの一人、「小町 つぐみ」は「少年」が主人公の時と「武」が主人公の時とで行動が違います。彼女の行動の差異は何がそうさせるのか……。
そして、根本的な問題として、主人公達がおかれた状況はいったい何なのか?何が原因で、「絶対安全」であった海洋テーマパークが沈没する事になったのか?偶然?必然?
他にもキャラクター毎に、様々な謎を抱えているわけですが、その全てにちゃんとした回答を示しています。すべての謎が解ける「八神 ココ」シナリオをクリアした時に、きっとあなたは感嘆のため息をもらすでしょう。
個人的には「田中 優*2」が自己紹介するとき、「I am You!」と言っていた台詞の意味の大きさと、つぐみの(ネタバレ〜)のエピソードにやられました。
なお、プレイする時は「武」視点のシナリオから始めた方が楽しめると思います。まあ、基本的にどの順番で初めてもいいのですが……。
◆システム …… ヾ(〃^∇^)ノ
コンシューマのアドベンチャーとしては珠玉の出来。オートプレイ、既読スキップ、メッセージ一時消去、アルバム機能……と、必要な機能はすべて揃っていて、ストレス無くプレイ出来ます。
◆グラフィック …… ヾ(〃^∇^)ノ
なかなかいいですよ。一枚絵の構図も決まっているポーズが多いし。原画担当は滝川悠さん。繊細なキャラが魅力的。絵柄がちょっと少女漫画ちっくで塗りはちょっとギャルゲーちっく(笑)
◆音楽 …… ( ´_ゝ`)
まあ、可も無く不可も無く……ヴォーカル曲も一曲ありますね。飛び抜けて自己主張している曲はありませんが、ゲームのBGMとしてはこっちの方がいいのかな。
◆総評 …… 。・゜・ヽ( ´◇`)ノ・゜・。
公式ページには「恋愛アドベンチャー」と書いてありますが、これはあんまりゲームの内容を正しく表していません(^^;)正直、恋愛要素は薄い。これは「本格SFミステリー」と言うのが正しいかな。兎に角、プレイヤーに問われる謎とその仕掛け、それに対する回答に舌を巻きます。コンシューマ屈指のアドベンチャーゲームで、現在は「SuperLite2000」シリーズで廉価版が発売されているので、今からでもプレイする事をお勧めします。
SuperLite2000恋愛アドベンチャー Ever17 ~the out of infinity~ Premium Edition
- 出版社/メーカー: サクセス
- 発売日: 2004/10/28
- メディア: Video Game
- 購入: 3人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (59件) を見る
あなたも、「LeMU」から、是非無事に脱出してください。この深海51mの闇の中から7人を助け出してあげて下さい。そして……すべての謎を解き明かして下さい。