芸術作品と商用作品は別物

誰が為の商品なのか。日系ビジネスにSCE社長の久多良木氏のインタビューが掲載された訳ですが……

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アップロード掲示板にアップされている物なので消える可能性あり*1。全文読みたい人は本屋へGO!で、この中で気になる発言は次の部分。「ボタンが凹んだまま戻らない、引っかかる」という問題が多発している□ボタンの設計についての発言なのですが……強調部分は霜月による。

使用する液晶画面はこれ以上小さくしたくないし、PSP本体もこれ以上大きくしたくなかった。ボタンの位置も狙ったもの。それが仕様。これは僕が作ったもので、そういう仕様にしている。明確な意志を持っているのであって、間違ったわけではない。世界で一番美しいものを作ったと思う。著名建築家が書いた図面に対して門の位置がおかしいと難癖をつける人はいない。それと同じこと。

あ〜……この人、技術屋としては兎も角、商売人としての才能無いわ。強調部分、これ、明らかな失言と共に本音を伺わせるに十分な意味を持ってしまっています。つまり、現在の状況に対して「素人がゴタゴタ抜かすな」という意思がはっきり表れています。著名建築家=久多良木氏なのでしょうが……「これは設計のプロの俺が作ったものだから、それに難癖つけるのはオカシイ」という事なのでしょう。

確かに、芸術作品であるのなら、その理屈も通るでしょう。しかし、PSPは商品であり、その作品はお金を払って購入した購買者の為の物なのです。折角、大金を払って購入したPSPなのに、ボタンの反応が悪くてガッカリ……その人達に向かって「それは本体の形を美しくするための仕様です。その設計に対して難癖つけるのはおかしい」という理論を振りかざすとは思わなかった。

商売に必要なのは、もちろん商品の出来ですが、それと同時に必要なのが広告展開……世間に対する広報と印象操作でしょう。

例えば、一例ですが今回の件も将来どうするかは兎も角としてアナウンスする時は「確かに、ユーザー様からそのような報告が来ていることも事実です。皆様の意見を真摯に受け止め、今後より良いPSPを皆様にお届けできる様、日々一層技術革新に取り組んでいきたいと思います」とかなんとか言っておけば、PSPに対する印象も大分変わったでしょう。

繰り返しますが、実際に改良品を作る意思があるかどうかは広告においてはどうでもいいのです*2広報として自分の発言が世間にどのような印象を与えるかが大切なわけで。なので、最初に書いたように「技術屋としては兎も角、商売人としての……」と感じるのです。ユーザーから不満が上がっているのは事実なのですから、それを「仕様です」の一言で済ますのはユーザーの感情を思うと広報としては失格でしょう。

しかし、まあ、この発言から少なくとも、もう暫くはPSPの改良品を出す意思が無いこともわかったのは朗報と言えるかな……困ったなぁ。アクションゲームが怖くて買えないぞ……。

*1:イキナリ画像消えたかと思ったら、どうやら、他サーバーからのリンクでは画像を表示出来ない模様。当日記はURLは自動でリンクする仕様になっている為、マウス操作でのコピー&ペーストがし難いと思い、先頭のhを抜きました。アドレスの先頭にhを加えて、アドレス欄に直接入力して飛んで下さい

*2:とは言っても、流石に真っ赤なウソを垂れ流しては駄目なわけですが