引用?転載?

http://d.hatena.ne.jp/gliff/20040818の注釈欄。

(2004年8月21日追記:この記事の文章はグリフ氏の8月20日早朝の段階での文章を参照しており、ご本人曰く「下書き段階であって、公式見解では無い」という事です。現在の文章は修正されており、おそらくこれが「公式見解」という事だと思われます)

「引用=転用ではありませんので」と書いているわりには、書いている本人が微妙に区別がついていない気がする。そうじゃなきゃ「原則転用も、引用すらも認めません」(注:強調マーキングは私によるもの)なんて発言は出来ないと思うのですが。っていうか、転用じゃなくて転載だと思うけど。

引用は法律で定められた権利であって、著作権者がNOと言ったって自由に引用出来ます。逆に言えば著作権者だろうと引用を拒絶する事は出来ません。例えそれが自分にとって気に食わない文章であったとしてもです。何故なら、引用の権利の存在理由に「批判を封じ込めるために著作権法が乱用されることを抑止するため」というのがあるからです。「発言をねじ曲げたり」とありますが、ねじ曲げたり正当な範囲を引用しなかった段階でそれは引用とは言いません。また、紹介する場所に制限はありません。何処で紹介しようと自由です。これで損害賠償を取ろうというのは権利の乱用というものです。*1

一方、転載は自由ではありません。文章をコピーしただけなんていうのは認められないわけです。

そんなわけで、ここでは要点の「自分の意思」と、一言「無断転載お断り」と書けばいいのです。「引用お断り」というのは法的に認められないのですから。

誤解を招くような文章で紹介されるのを嫌がる気持ちは分かりますが、その為には、誤解されるような文章を書かないようにする事も大切です。今回の注釈文はそういう意味では落第点です。この注釈文の文章では読んでいる側が悪意が無くても誤解して引用する可能性が出てくる。それを相手のせいだけにするのは酷だ。誤解されない為にも正しい用語を正しい使いかたで使う事が大切です。*2

*1:長々書いた後で気付いたけれど、はてなキーワードの「引用」のページに私の文章よりよっぽど分かりやすい解説が書いてあるなぁ……。

*2:「……大切です。」とか書いた自分の日記で単語の誤用発見。修正しました。……ああ、言うは易し行うは難し。