「CROSS†CHANNEL」レビュー


生きている人、いますか?<挨拶



……というわけで、「CROSS†CHANNEL」終了しました。

終わった……(放心)

終わっちゃったよ……(放心)

……………………………………………………はぁ〜(脱力)



お・も・し・ろ・か・っ・たーーーーーーっ!!



素敵なゲームを教えてくれたネットの力に敬礼。ゲーム中盤までは佳作かなぁと思っていたけど、終盤から傑作に変わりました。そしてエンディング後のエピローグで名作へ……すっごく、くさいんですけどね。大好き。

実はこの作品もタイム・パラドックスネタですが、フェイトよりも効果的に使われている。ゲームを始めた時はギャグかなぁと思っていたのですが、全然違った。シリアス。どシリアス。生きて行くってどういう事?生きてるってなんだろ?生きてるってなぁに?……しまった。これじゃあ、「笑う犬」のケンとタイゾーだ。兎に角、この作品は「生き方」「人との繋がり」に対して真正面から取り組んだ名作です。

え?「Fate/stay night」とどっちが面白かったかって?あの……その…………ごめん、「CROSS†CHANNEL」の方が私的に評価上。フェイトは活劇で†*1は感動物なのよね(序盤はギャグだけど)。エンディングの差もある。ちょっとネタバレになりますけど†は何度もエンディングを見ますが最後はシングルエンドです。というのも、繰り返される時間の中から主人公が抜け出すのが目的で、そのループする時間の中で何度も失敗しながら、真相を導き出していくわけです。「河原崎家の一族2」とかフリーソフトの「ひとかた」みたいな感じ。方向性は全然違うけど。途中の道筋がいくつもあって最後に一つの結末に辿り着くのです。ただ一つのハッピーエンド。これがすっきりする。これに対してフェイトは枝分かれ型。無数に分裂する事象があって、その選択によって、いくつもの結末が用意されている。バリエーションという点からいうとマルチエンディングは物語に厚みを与えてくれますが、爽快感というか、遊んだ後のわだかまりを完全に振り払えないという短所もある。フェイトの感想に「あのエンディングは好きだけど」とか「あのエンドさえなければ」という感想が少なくないのはそういう蟠りが感情として振り払えない所にもあるのでしょう。

もちろん、シングルエンドには逆に物語りに厚みが無くなるという欠点がありますが、これを「時間のループ」というトリックを使うことによって解決。フェイトで例えるなら、セイバーエンドに辿り着いた主人公が、その記憶を持ったまま初日にループ。過去の経験を生かして今度はセイバーと凛を救出、しかし桜は救えず。再びその記憶を持ったまま、今度は桜を助けるために初日に戻り……という感じでしょうか?フェイトは枝分かれ型なので、バッドエンド、イコール、主人公の死。プレイをやり直しますが、その主人公は、バッドエンドの主人公とは別の主人公なわけです。セイバーと結ばれた主人公と凛と結ばれた主人公は同じ士郎でも別人なわけです。†の場合、一回のプレイで誰かを助けて(もしくは失敗して)エンディング。しかし、そこで終わらず、さらに良い結末へ向かって主人公が努力する。そして最後には…………そんなわけで、エンディングは非常に後味がよい、心温まるエンディングになっています。

あとね、何気にBGMがすっごく好き。ピアノをメインにした曲が多いのですが心に響きます。派手さはないけど心に残る曲。

あ、後、もう一つ評価が高いのは主人公が屁たれじゃ無いという事とHシーンを結構無理なく物語りに絡めてある事です。……ほら、エロゲーってとってつけたようなHシーンが多いじゃ無いですが。†のHシーンは結構自然にいっている(ように思う)のですよ。やっぱり、キャラによっては強引だなぁと思う部分もあるにはあるのですが(笑)この手のゲームとしてはかなり上手く物語りに絡めてあると思いました。

*1:CROSS†CHANNEL」を略してみた。